日本一を誇る天然ふぐ水揚げ量

能登地域には産卵時期にとらふぐをはじめとして真ふぐ、ごまふぐ、しょうさいふぐ、しろさばふぐなど多様な天然ふぐが水揚げされます。白子を持つこれら天然ふぐたちの地産地消を進めることで地域活性化をめざし、能登ふぐ事業協同組合は活動を進めています。平成23年度、平成24年度と、石川県の天然ふぐ類漁獲量は全国1位を記録しました。全国市町村別でみても、上位10位以内に石川県の市町村が3カ所エントリーしています。お隣富山県の氷見市も全国3位に入っており、能登近海ではたくさんの天然ふぐが漁獲されていることがわかります。

主に水揚げされているふぐは「ごまふぐ」ですが、とらふぐ、真ふぐ、ひがんふぐ、しろさばふぐなど、多様なふぐ類が漁獲されることが特徴的です。さまざまなふぐ類が漁獲されるのは、まさに「生物多様性」を育む能登の自然の豊かさの恩恵です。能登の自然、文化、景観等は2011年度に「世界農業遺産(GIAHS)」に認定されました。こうした豊かな自然を守っていくことも能登ふぐ事業協同組合の使命だと感じています。

春先から初夏が旬

あまり知られていませんが、ふぐは長距離を泳いでほぼ日本全国を旅しています。能登で放流されたフグが愛知県で漁獲された例もあります。これほど長距離移動するふぐたちは、産卵時期にあたる春先から初夏にかけて能登にやってきます。砂地や岩場、藻場など多様な様相を見せる能登の海はちょうど産卵に適した場所なのかもしれません。産卵期に訪れるふぐからは白子や卵巣をたくさん採ることができます。「ふぐの卵巣糠漬け」はこうした背景から生まれた伝統食といえます。

主に輪島沖や富山湾に面した定置網で漁獲されていますが、水揚げされるふぐはお互いにかみついて傷つけてしまうため、洋上ですぐに歯を切り落とす作業を行い、品質を保つ努力を怠りません。また、ノベナワ漁により1匹ずつ水揚げする、まさに最高品質のトラフグ漁も行っています。たくさん取れるということに注目が集まりがちですが、品質管理にも徹底的にこだわっています。
とらふぐ漁体験プログラムも計画しておりますので、能登の里山里海を体験したい方はお問い合わせください。

平成24年度全国市町村別天然ふぐ類漁獲量
1位 輪島市(石川県) 428t
2位 高松市(香川県) 226t
3位 氷見市(富山県) 225t
4位 七尾市(石川県) 212t
5位 佐渡市(新潟県) 198t
6位 宗像市(福岡県) 194t
7位 今治市(愛媛県) 174t
8位 志賀町(石川県) 173t
9位 萩市(山口県) 169t
10位 森町(北海道) 149t